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2009年11月30日月曜日

人のふんどしで相撲をとる

現在、仕事で関わらせていただいている某企業の社長との打ち合わせ。計画の方針を確認、進捗の報告が一通り終了したころ、社長が言った一言。”事業とは所詮、人のふんどしで相撲をとっているようなものだ”と。このフレーズは、ネガティブな意味で使用されるケースが多い印象を持っている。まして、人生を掛けた1大事業を成功させている社長が、事業とは、、、で例えに出す例としては、正直ドキッとした。ただ、少しして分かったのは、自分の力だけでは、大きな成功などありえないということ。資金も、チャンスも、アイデアや工夫も、関わる様々な人の協力を元に事業は成り立っているのだと。人のふんどしを借りることを恥じるのではなく、借りなければ何も始まらないのだと言う事が暗に社長の言葉には含まれていたのだなと感じた。ということで、諸先輩方の肩を借りて、謙虚さを忘れずに、挑戦しよう!と鼓舞するのであった。

2009年11月9日月曜日

偉大な上司

大学卒業と同時に独立してしまった自分は勤めたことが無い。仕事の心得は、独学で学んだといえば格好良いが、実のところは、ユニット活動をしていた頃の同僚や、クライアントや仕事関係者から学んだところが大きい。幸運なことに今までに、すばらしい顧客と仲間に出会うことが出来、人生訓や職能訓を知らず知らず、かい摘んでいるうちに今の自分が出来上がった様な状況だ。言い換えれば、出会ったクライアントは皆、自分にとっての上司なのだ。本日もすばらしい同業大先輩とお会いし、ひとつのプロジェクトをご一緒する運びとなった、。建築設計ないしは、建設は一人の力では到底なし得るものではない。建設プロジェクトにおいて設計者のポジションは”先生”というフレーズが示すように、プロジェクトリーダーであり、設計内容にその人の思想が反映されることは言うまでも無いが、リーダーのチーム統率力が関わるそれぞれのポジションの人の力を発揮させたり、モチベーションを左右したりすると思う。本日お会いできた大先輩の元、自分も期待以上の成果が出せるよう、挑戦してみようと思うのであった。

2009年10月22日木曜日

百姓モデル

顧問税理士の担当の寺内先生とそのボスの北見さん、プラス倉島陽一氏と会食。倉島氏はMS4D役員でもあるが、自身でWEB制作を主体とした会社(A.C.O)を経営している。今こそ異なる業界を牽引しているが、芸大建築科の先輩である。成長産業であるIT業界の先端事情を倉島氏からヒアリング。産業全体が目覚しいスピードで変化していることに驚きを覚えるとともに、自分が身をおく建築設計、建設業界はいまだに旧態依然としているなと。そんな近況話を肴に、おいしい食事とお酒に舌鼓を打ちながら、話は不況対策話へ。ぶっちゃけの悩みに同席してくれる顧問税理士の先生に感謝。不況を乗り切るビジネス展開として敢えて口にするなら”百姓モデル”。あまり背伸びはせず、拡大や一発逆転など狙わずに、丁寧に作物を育てる。大地に感謝、太陽に感謝。手伝ってくれる人に感謝。作物を飼ってくれる人に感謝。気候を読み、限られた土地からどうやっておいしい作物を得られるのかを試行錯誤するのも、クリエイティブ力の発揮がしがいあるというものだ。豊作の時は物々交換で、自分では作れないものを、いただく。耕す土地を持っていなければ、人に負けないくらい研ぎ澄ました鍬と技で、バーターを申し出る。などなど、お酒も回って、いい気分ではあるが、緊張感のある会話であった。百姓とは、漢語からの輸入語で、ある語源説には、多様な生業に従事する特定の身分の呼称とされている。農業経営に従事する者のみならず、商業や手工業、漁業などの経営者も包括していたらしい。百姓とは、(百)多くの (姓;かばね)職業というわけだ。勝ち組、負け組みというフレーズも久しくなったが、さまざまなプロフェッションが互いを蹴落として這い上がるのではなく、それぞれの特技を活かして共生していけるような世の中が来る日を待つ。だけではなく、率先して行動しようと思った次第だ。

2009年8月8日土曜日

スタイルについて

グラフィックデザイン界の大御所、松永真さんと、会食させていただくことに。世間話が一通り済んだところで、作家はスタイルを持つべきかどうかの話題となった。松永さん曰く、自らの創作スタイルを決めにかかるべきではないと。周囲の評価によって一定のスタイルを作り出したのであればまだしも、自らが決定した強いスタイルは、PRの際にその効果を発揮し、より広くの人に自分を知ってもらう為にはなくてはならないものだとか。スタイルを持つことの目的は、有名になる、名声を得るということだ。逆の効果として、当たり前だがスタイルは自らの創造性にブレーキを掛けることとなる。松永さんはスタイルを持たないように創作活動を続けてきたそうだ。有名になることが創作の目的ではないのだからと。昼からご馳走になったビールの余韻とともによい刺激も頂いた。

2009年6月27日土曜日

部分最適と全体最適

コミュニケーションデザインインスティチュート、通称CDI植野勧さんと月島もんじゃ進行会共同組合の会長と会食。植野さんとはかれこれ10年来のお付き合いで、自分が大学卒業後、無謀にもすぐに独立し、食い扶持に苦労していたドミトリーアーキテクツ時代に、社会人経験の少ない自分にでも出来る仕事を紹介していただいていた恩師だ。話題は共同体精神、教育、におけるボランタリー精神について。地域産業活性化に不可欠な地域コミュニティ、学校教育と家庭内教育との中間的な位置ずけとして機能してきた、少年野球クラブやサッカーなどの地域教育。これらには、概してボランタリー精神にあふれた名物"おやじ"が必須で、人の子を叱るにも、コミュニティ活性のために一肌脱ぐのも、個人の損得勘定を越えた全体最適のための強烈な個性の持ち主で親分肌の”おやじ群”によるボランタリー精神がそれらを支えていたのではないかと。行過ぎた自由競争社会が、そんな精神を排除してしまったのではないかと。自分も今年で35歳。よい年齢になってきた。部分の最適化より全体最適を視野に入れた行動を実践していきたい。

2008年8月5日火曜日

農場の法則

あるディベロッパー社長との会合。異業者からみた建築設計者の興味深い話を頂けた。一昔前は一概にそうとも言い切れないだろうが、昨今建築家に、お金持ちがいない。そこそこ儲かっている人は聞くが、いわゆる富裕者層とよばれる所得に届く人は稀だと言う。確かにそうだ。何故か、ビジネスモデルが根源的に儲かる仕組みになっていないと氏は言う。建築家が建設まで請け負うことはまずない。設計施工のジャイアント業態はゼネコンが存在する。建設を請け負わないまでも、建設コスト管理上の責任を業務として担っていないケースが多くこれでは、ノーリスクであると。儲かる仕組みに、ハイリスク、ハイリターンはあっても、ノーリスク、ハイリターンは非常に成立し難いと言う。確かにそう思う。では、自分たちの様な、小さなアトリエ設計事務所は、どんな行動を取るべきか。
<農場の法則>春に種を蒔き、夏には、手入れをし、秋には刈り取る。。。。(スティーブン.R.コビィー著”7つの習慣”)建築家は種まきを積極的に行う人が少ないと。国家資格がそうさせるのか、アカデミックとビジネスを両天秤に掛けながら、一方で”先生”一方で”ビジネスマン”を装う分裂症に疲弊しているのだろうか。待っていれば仕事が来る時代でもない、であれば、種を撒けと。ただ、注意すべきは、どのような種を撒くのかと、手入れをし手間暇掛けて育てる=コストに跳ね返ってこないようにすることだと。うむ、勉強になった。

2008年6月20日金曜日

ブレイクスルーポイント

ビジネス上のブレイクスルーポイントは他業界から学べ!というのが定石と、先日人から薦められた経営指南本に書いてあった。人から薦められた本は、よく読む。ただ著者を覚えていないあたりは、身についていないとも言える。自分がオフィスを構える五反田町原ビルには、同じぐらいの世代の異業種の社長が3人居る。A.C.O倉島社長、e-headline山下社長、東京ピストル草薙社長。定石とはまさにこのことで、彼らとの情報交換は非常に刺激的だ。何のために、何故、今何を行おうとしているのか、同じ時代にビジネスを行っている異業種の彼らから共感が得られなければ、業界内の井の中の蛙だろう。突破口を見つけられるか否かは、自分の能力に掛かっているのだろうが。。。。。

2008年6月13日金曜日

決算

今年の6月末でMS4Dとして、初めての決算を迎える。創業からカウントすると5回目。MS4Dの前身は清水勝広建築工房であったわけだが、昨年思い切って、商号変更し、パートナー制を導入し体制を一新、受注窓口が広がったおかげで、売上げは目標値にこそ達しなかったが、まずまずの成績を残せた。
常に何かを実践、発明しようと意気込み、プロジェクトにのめり込んでいると、資金ショートがおきたり、労働環境が乱れたり、経営がおろそかになることが旧清水事務所時代、その当時の懸念だった。
ビジネスとクリエイションを同時に見れる複眼的構造、多様なニーズに対する多様な返答が可能なシステムに切り替えるために一人親方の体制に終止符を打った。新体制切り替えにあたっては、マネージメントとプレイヤーの棲み分け、クリエイティブシーンにおいては複数名のリーダーが、並列な権限を持てるような環境とし、今後もさらにそのシステムの革新を続ける予定だ。リーダーのことをMS4Dではパートナーと呼んでいる。現在、自分を含めて4名。共同経営者的立場で一緒にビジネスできるパートナーをもっと増やしたい。規模や数にもよるが建築設計は、発案からフィニッシュまで一人だけで行うことは難しい。昨今ますます専業化は進んでいるし、それぞれの得意分野を武器に、自己満足的なモノづくりではなく、ビジネスとして建築設計を営んで行きたい。
社内は経営サイドを担うマネージメントチームと、各プロジェクトを推進するチームに2分できる。といっても、人数が少ないので、役割の掛け持ちが多い。パートナーはプロジェクトの推進が主な仕事。完成した仕事を自身の著作クレジットで、社会に発表し、評価を得たり、次の仕事に結びつけるのも大切だ。従業員ではなく、個人事業者がほとんど。雇われてしまうとどうしても従属関係が生まれ、自由な創作の妨げになる可能性があるからだ。マネージメントチームは総務、経理や人事、広報などからなり、プレイヤーが活発に活動できる基盤を支える構図になっている。各種設計業務の中に必要なマニュアル化や、データベース化も進めている。とはいっても、まだまだ解決すべき問題や研究すべきことは山積みで、売上げだけが単純に上がっていても、利益が出なければ、薄利多売なだけであり、まして仕事の評価が伴わなければ、ビジネスとクリエイションの両立は達成できていないわけで、来期へ向けて、経営方針、戦略を考案している最中だ。