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2012年2月16日木曜日

オーダー内容の確認

お客様のニーズは、本当に多様だな。と、当たり前の事なのですが、最近、考えさせられることが多いです。お店のイメージやどのようなライフスタイルに憧れているかのイメージはつかめていて、それにピッタリとマッチした建物の設計デザインを相談いただくケースもあれば、間取りやかなり細かな部分まで空間デザインのイメージが固まっていて、それを実現するのにいくら掛かるのか、また、予算に納めるには何を取捨選択すべきなのかアドバイスを求められるケースもありますし、土地探しやローンの座組など、計画をキックオフさせる為に必要な基本情報と進め方についての相談もあります。手抜き工事のないように監理を徹底してくれればそれでよくて、設計デザインについてのオーダーは皆無。なんてケースもあったり、よそとくらべてどのくらい安く設計してもらえるのかに焦点をしぼって相談にお越しの方もいます。思うのは、どのお仕事も、発注者が異なればそのニーズも異なるはずで、それを的確に汲み取った上で、業務範囲と方法を提示することにもっと時間と知恵を使わなければいけないな、と思う事と同時に、自分たちが行うサービスメーニューと、責任の範囲、報酬対価について、もっと明快な提示を事前に行うべきだなと痛感しているのでした。少ない経験ではありますが、いままでに経験させてもらった様々なケース毎の行ったサービスと、報酬の関係性が分かる事例でもWEB SITEに乗せてみようかな。(もちろん、お客様の特定が出来ない様な配慮はしますよ。)

2011年7月5日火曜日

決算月

6月末で決算〆。ふ〜、一区切りが付きました。今後1ヶ月で仕掛かり等の調整はあるものの、売り掛け、買い掛けベースで言えば、増収はあったものの、減益。とほほ。今期1年を振り返ってみて思う事は、ありがたい事に拠点を構えた山中湖でのお仕事が本格始動し始めた事、そこでのライフスタイルを始めた事(山中湖でのある讃美ヶ丘住民のつぶやきもあるので見てみてください)そして、なんと言っても3月の東日本大震災。寿退社したスタッフが釜石にて、SKYPEミーティングをしている真っ最中だったので、何とも感慨深いものがあります。震災の影響で一瞬仕事がほぼすべて延期となりましたが、こんなご時世に、ありがたい事に、いつも、忙しくさせていただいているのは、応援してくださるお客様と(半ば外部営業マン的に動いてくださっている方もいらっしゃって、本当に頭が上がりません。)いつも無理難題をぶつけてもきちっと仕事を納めてくださる施工店の皆様、いざとなった時にレバレッジを効かせてくれるパートナーの皆様、そして、こんな僕にいつまでもつき合ってくれるMS4Dのスタッフの皆があってこその1年でした。日本経済の復活には時間がかかる様に思いますが、僕らのようなベンチャーは、いつまでもベンチャー魂を持ち続けて、ダーウィンの言葉のごとく、変化に対応しながら、果敢に挑戦を続けるんだと思う、決算でした。

2011年6月7日火曜日

事務所の図書

事務所内をちょっと整理してみました。いらないものといるものを分別(あー、2年前の引越しの時にあんなに整理したのに、何故こんなに増えているのだ)主に、素材のサンプルと、カタログと図書。図書の中でも幅を利かせているのは雑誌。雑誌の定期購読は,経費削減のために今は建築専門誌1冊しかないので、その他は、気になった特集が組まれている専門誌だったり、カルチャー誌やビジネス雑誌をランダムに購入しているのですが、増える増える。雑誌も本もデジタル化が確実に進んでいるはずなのですが、事務所の中は、書籍の海。(棚を増設だ!)

2010年4月22日木曜日

山中湖MS4D山荘

1年前からお世話になっている山中湖讃美ヶ丘に山荘を購入、所有することになった。といっても借地権付の中古の山荘だが、僕にとっては始めての不動産所有。かなりどきどきしているが、今後、大いに活用していきたい。所有にあたっては、この不景気になんて贅沢な。という思いもあったが、今後この別荘地でお仕事をさせて行く上で、自身で所有し、寒冷地特有の自然環境の厳しさを体感してみるべきだと思ったのと、素敵なコミュニティに加わってみたいと思ったのと、オーナ-ズマインドを理解し共有するには、自分もオーナの一人になってみるべきだと強く感じたこと、あとは、営業拠点には好都合と思ったことかな?築30年経ってはいるが、特段、老朽化している箇所も少なく、多少梃入れはするかと思うが、ほぼそのままで利用可能な良質中古別荘だ。(讃美ヶ丘さん、格安でご提供ありがとうございます。)富士山が望めるこの別荘で、時には仲間や友達を呼んでパーティを。時には落ち着いて設計作業を。時には、東京のせわしない生活から一歩身を引いて考え事にふけってみようかなと。身に余る所有物だが、前向きに、活動の巾を広げる意味でも活用していきたい。

2010年3月16日火曜日

スタッフの壮行会

3年と10ヶ月間、場所と時間とプロジェクトを共にしてきた従業員スタッフの中尾さんが遠い実家に戻ることになった。かれこれ、何人のスタッフが入社し、別の場所へ移っていったことか。小さな設計事務所なので、一人ひとりとの時間の共有の密度も濃い。思い返すと、MS4Dはこの3年間で3回の事務所の引越しを行った。2006年に大久保から目黒へ。翌年の2007年に思い立って目黒から五反田へ。そして2009年、元の古巣の大久保に戻ってきたわけだが、中尾さんに限らずスタッフはこの経緯にずっと付き合ってくれたわけで、本人の都合と関係なく、ころころと事務所が移転するたびに、おそらく通勤時間も変わったであろうし、その分のストレスも溜まったことと思う。スミマセン。そして、時にセッカチ番長と化す清水に愛想を尽かすことなく、懸命にプロジェクトに取り組んでくれたことに、感謝。本人がこのブログをチェックしているかどうかは、知る由もないが、とにかく、”ありがとう”という気持ちを記しておきたい。実家に戻っても特段転職先を探すわけではないとのことで、以降も離れた場所でMS4Dの仕事をお手伝いしてくれるとのこと。うれしい限りだ。今は、進化した通信手段を駆使すれば、プロジェクト共有は可能だと思う。構造設計者や、設備設計者、ランドスケープやグラフィックデザイナーなどとは、それぞれが離れた場所にいながらも、必要なときに集まり、プロジェクトを進めていくわけだから、それと同じことだ。WEB上のサーバーを共有し、スカイプを使って打ち合わせ。お互いに納期と自分に課されたタスクが明確になるであろうし、同じ事務所の中で場所と時間を共有しているときよりも効率が上がるようにも思う。
今後のMS4Dの仕事のスタイルを進化させてゆく上で、良い機会であるし、古き師弟制度に近いアトリエ型ビジネスモデルから脱却する上でも、設計業務の分業化と効率化、遠隔プロジェクト共有は、最近地方の仕事が増え、事務所にいる時間が短くなってきている自分にとっても非常に大切な課題であったので、真剣に取り組んでいこう!と今後への期待に胸が膨らむ。と同時に、慣れ親しんだスタッフの顔が見れなくなるのは少しさびしいな。と感ずる、今日この頃の時期がちょうど卒業シーズンと重なったものだから、ワクワクする気持ちと、寂しさと、思い出に感傷的な、”甘酸っぱい青春”に酔いしれる35歳の自分でした。

2009年12月15日火曜日

持ちつ持たれつ

MS4Dのあるスタッフとの会話の一部。どうしてもこの仕事をやり遂げたい!と切に願うスタッフ。でも、どうもうまくいっていない。どうすれば、やり遂げられるのか、、一緒に考えてみた。時間がたっぷりあればよいのか。予算が潤沢にあればよいのか。そうではなく、自分だけの力ではなく人の力が必要とのこと。どうすれば、人から力を貸してもらえるのか。。。。。力を借りたい人の時間を、自分が作ればよい。時間を作るとは?力を借りたい人にも実行できて、力を貸してほしい人にも出来ることを、その人に成り代わって率先して行えば、その人に時間が生まれる。率先してそれを行うには、その人の行動と、その人の立場を理解する必要がある。これは経験がないから、、、と逃げ腰になる話ではなく、よく観察すればよいと思う。電話でどんな内容を話しているのか、どんなスケデュールが入っているのか、日々何をしているのか。また、その人の時間を作るには、その人が指示を出している人の作業を手伝ってみるのも良いと思う。持ちつ持たれつ協力し合う事の大切さを改めて理解。

2009年10月30日金曜日

生々しい話

仕事上のお付き合いで建主と設計屋の信頼関係がこじれそうになっている住宅建設の相談を受けている。僕に出来ることは限られているので、出しゃばる必要などこれっぽっちもないのだが、困っている人をほっておけないのが、今回の話。問題となっている事実としては、出来上がった建物が確認申請の内容と異なる点。そのため、引渡し後数ヶ月たつも、完了検査済証が発行されないでいる。階の高さ、建物全体の高さ、配置など一目で見て分かる事項も多数。建設の途中で建主の意向が変わり、予定と異なるものが完成してしまった点のみで話を進めれば、事後でも計画の変更を公機関に申請しなおし、法令遵守の元、認可をいただけば済むことだと思う。必要であれば手直し工事も発生するだろう。が、配置計画は設計屋が独断で行ったことだと。。何故か?建物配置を換えたほうが見晴らしがよいと思ったからだとか。。。。ん~、当初の計画からそうはできなかったのか。。。問題は、これにつきない。敷地の4方向とも塀なり、根伐り(建物の基礎を工事する際に地面を掘ること)が敷地を越境している。大きいところでは水平方向に3mもある。狭い土地で隣地の地権者の了承のもとに、一時的に土地を借りて建設を進めないと、建て替えが行えないことは密集市街地においては、ありえる事態だと思う。が、今回計画は山の中。塀の越境は明らかな測量ミス。隣人への承諾も行われていない。さらに4方向あるうちの1つは、所謂”赤道”で、公図上に存在する道。道路法の適用外で、使用されていないことが多いので道だと見た目だけでは判断しにくいが、正確には公の土地である。そこを勝手に工事中に削ってしまったと。。建物配置を換えたから。。。さらに驚く事実としては、工事中の産業廃棄物を赤道含め、隣接する土地に相当量、埋めたり捨てたりしている。。。ん~、これは設計屋もどんなに目を光らせて監理していたとしても、見抜けないかもしれない。工事屋の倫理感の欠如した事項であり、請負額を満足に支払っていただけないだろうと思われる。が、さらに驚いたのが当の設計屋さん、工事元請なのであった。しかも建主は満額の支払いを終えている。建設業許可を得て、工事を請けているかどうかは、定かではないが、話があまりにも杜撰すぎる。これでは丸投げではないか。設計事務所の業務が社会から大きく信用をなくしてしまった、一連の構造計算偽装事件が記憶に新しいにもかかわらず、こんなことが平然と済まされていては、まじめに業務に取り組んでいる我々としては、迷惑も甚だしいと感じ、僕よりも一回り以上年配の当の設計屋には、思いのたけを伝えさせていただいた。事の決着は法に委ねるとして、設計事務所が社会から必要な存在だと認めてもらえる日が再度訪れるには、職能全体で、言葉で語るにはあまりに簡単すぎる”意識改革”を行う必要性があると痛切した。

2009年9月8日火曜日

総合サービス業

某建築コンサルタントの方と打ち合わせ。興味深い話が、設計事務所(組織事務所もアトリエも含めてこの方は指摘している)はサービス力とマネジメント力が欠如していると。サービスというと、無償のボランティアサービスを思い描くかもしれないが、そうではない。顧客満足を得るためのあらゆる行為をサービスとする。マネジメントも語彙が広く、PM(プロジェクトマネジメント)CM(コンストラクションマネジメント)人材マネジメントも、経営管理もマネジメントの一言で日本に輸入されているが、とうてい一人の力では達成できない建設や、設計の実務において、マネジメントがしっかりしていないと、関わるそれぞれのポジションの人の最大能力を引き出すことはできない。そこにきて、どうも設計の人間は力を合わせて物を作ろうとする心構えに欠けているとのことだ。クライアントに専門家として建設計画における判断の一部は委託されるがそのすべてではないし、ましてや、自身がクライアントであるかのごとく、建物を作ってゆくチーム員の中で特別な存在として振舞う設計者が大半だという。自己顕示欲を奮いたい作家魂と顧客ニーズに答えようとするサービス精神のバランスが崩れているのだと。ん~、重い会話であった。が、自分のことと受け止めて、精進。

2009年6月24日水曜日

不況対策

とある編集社から出版される、設計事務所の不況対策特集の企画会議に参加。僕なんかでよいのかな?と思いながら、思いのたけを語る。同席者中、建築家、森山高至さんのスタンスが非常に興味深かった。なんでも新聞折込のチラシ広告を自費で行い、設計を受注したことがあるとか、”今なら住宅設計料100万円キャンペーン” (監理なしで、打ち合わせ回数に制限があるらしい。そのあたりの対価に対するサービス内容の明確化にも務めておられる。)をWEB上で実施して顧客と出会ったとか。その他にも、アイデア満載の武勇伝を聞かせてもらった。構造設計事務所やフィナンシャルプランナーとデスクを並べて、業務提携している点も特徴的だ。もし仮に僕が今まで思いついたとしてもどこかでブレーキをかけたであろうことを、何のためらいもなく、”やれることから実施する””出合った人全員が顧客候補”などなど氏のを聞いていて、自分の想像力のなさと、実行力のなさ、クリーンでカッコイイスタイルに固執している器の小ささを感じた。氏曰く、自己顕示欲を満たすための”作品作り”を続けることを止め、サービス業としての住宅建築設計をまじめにビジネスすることにマインドチェンジした瞬間があったとか。お高くとまってお客を待っているだけの設計事務所は、エンドユーザーからみて、どんなサービスが受けられるのか分からないだろう。自分の行っているサービスを知ってもらうことからはじめる必要があるなと感じたと同時に、集客や営業、接客術にも、創造的なオリジナルアプローチがあってしかるべきと感じた。

2009年6月9日火曜日

制度と自由

建築士法改正にともなう、1級建築士定期講習なるものに行って来た。ビッグサイトに800人の設計士が集まって、建築基準法、建築士法、関連法令などの改正のポイントと建築士の社会責任云々についての講義を丸1日がかりで受ける。これをすっぽかすと懲戒処分とか。昨年夏に受けた管理建築士講習なるものとその内容の大半がかぶっていたので退屈だ。会場で母校東京芸大の恩師、六角先生に会う。会話を交わす内に気持ちはタイムスリップし、学生時代に心に抱いた建築計画の自由さ、無限の可能性に夢ときめいていた頃を思い出す。いまから思えば無知のきわみともいえるような内容の計画をそれこそ、”自由な発想”の名の元に課題にぶつけていたな。学生の特権。そんな桃源郷から現実に戻って、講義の続きを受けながら感じるのは、今回の法改正は、建築設計事務所の淘汰を加速させるひとつの要因になりうる。ということ。経済状況も芳しくないが、制度がそれを後押しし、人、物、金、体力のない事務所は生き残れないような仕組みに感じる。住宅瑕疵担保履行法は建築設計の自由な発想を奪うとも感じる。と同時に、今までがおかしかったのだとも思う。建築士免許貸しは横行していたし、今まで賠償責任保険への加入なしに設計事務所を運営できていたこと自体が”社会責任を取っていませんよ”といっているようなものだ。リスクも責任も背負わない自由などないと思う。それは自由なのではなく”自分勝手”なのだと。制度によって自由が奪われると文句を言うぐらいなら、”創造性という自由”を守るために、制度以上に厳しい自主規律をつくるべきだとも思った。

2009年1月29日木曜日

隣の畑(ゼネラリストとスペシャリスト)

自分らのようなベンチャー会社の構成員は、様々なポジションの兼任が多いと思う。クリエイターでありながら、マネージャ。戦略部隊であって、戦闘部隊。営業でありながらプレイヤー。人の上にたつこともあれば、下に就くこともある。ベンチャーは事業の歴史が浅いことで、確たる企業理念の形成や、トライアンドエラーの積み重ねによる、組織としての機能が成熟していないケースが多いとも思う。MS4Dを立ち上げたころは、クリエイティブ環境の向上を図るため、プレイヤーとマネージャとのポジションを分け、設計やデザインなどの実務に就くプレイヤーをマネージャが支えるような構図を思い描き、自分はマネージメントに徹しようと思った。分業化というやつだ。が、最近、考え方が変わってきた。1つの専門領域を極めるスペシャリストは”狭く深く”視野が狭く柔軟性にかける。一方で、これといった得意分野を持たず”広く浅く”のゼネラリストでは、諸々の調整は出来ても創造的成果を生み出せない。専門領域を持ちながらも、他の領域にも広く興味を持ち、吸収できるような、幅と奥行きを同時に兼ね備える能力が、構成員全員に必要なのだなと。それぞれが、自分のポジションの幅を少しだけ広げる。所詮一人では、仕事はできないわけで、構成員全員が相互補完しながら、組織として機能することを目指す。結果チームワークが良い相乗効果を生むとも思う。言葉で語るのは簡単だが、実際やってみるのは難しい。すぐにでも始められることとして、”隣の畑を覗いてみること”だなと思った。プレイングマネージャにとって陥りやすい罠が、目の前に待っていることも、わからないわけではないが、マネージメントチームを再構成し、チームワークで次なるステップに進みたい。

2008年10月27日月曜日

競争から協業の時代へ

1年半前、MS4Dを発足するにあたって、目的のひとつに、発案者の著作権を確保しながら、同業者との経営統合、固定経費のスリム化があった。自分が生まれた世代は所謂、団塊ジュニア第2次ベビーブームにあたり、国内世代人口が最も多い。ベンチャーの起業風潮も手伝って、当然、独立して開業している個人事業主含め、10人未満の零細企業設計事務所やデザイン事務所の経営者も多い。ただ、抱えている問題も同じような時期に開業しているので、似ている。自己プロデュースと、セールスポイントの発掘。受注の安定と顧客管理、人材教育と育成、資金繰りと財務計画。設計事務所やデザイン事務所の多くは、経営者がクリエイターであることが多く(かつての自分のアトリエ、清水勝広建築工房もご他聞に漏れず。。)経営と創作という、ある意味ブレーキとアクセルにも似た活動を、日々行い、疲弊しているのを、肌で感じた。独立したてのころには予測も出来なかったことに時間と労力を奪われ、最も得意としている業務がおろそかになっているからだ。そんな時、ふと妄想癖が働き、経営とはマネージメントであり、マネージメントとクリエイティブ、どちらか1の究極の選択を突きつけられたら、自分はどちらを選ぶのだろう、、、と。資質があるかは分からないが、答えはマネージメントであった。。。
現在MS4Dは3人の社外パートナー(要は雇用していないので従業員ではない。)と業務提携し、レベニューシェア方式(利益分配、固定費分担)によって、発生するプロジェクトを共同事業として、運営している。それぞれのパートナーがオファーをうける仕事は全てMS4Dで受注契約することで、経営のスリム化、固定費用の圧縮に成功している。今は3人しか、パートナーがいないが、先の究極の選択でクリエイティブを選択するクリエイターとの業務提携を増やして行きたい。個人の発想や価値観の差異を尊重したうえで。。。。。
サッポロビールとキリンビールが去る5月ごろから共同配送を行っている。また、アルミ缶フタの規格共通化も進めているようだ。新商品開発、機密保持、それぞれのブランドがしのぎを削って競争している一方で、エンドユーザーの1人である自分としては、”なんでもっと早くから行わないの?”無駄なコストが1本のビールに付加されていたのか?と思う。建築設計、デザイン業界においても、競争だけが邁進するべきレールではなく、無駄を省き、効率安定的にサービス提供を行う意味で、協業の道があると信ずる。自分の商売は相手を蹴散らすことが、目的ではなく、社会を豊かにすることだからだ。

2008年5月20日火曜日

建築家は詐欺師だ!

こんな言葉に出会った。自分が直接言われたわけではないが、とある知人が漏らした言葉だった。自分も建築設計に携わるものとして、無神経ではいられない。では、何故このような印象を持つ人がいるのか。どうやら、建築家のコスト意識に原因があるようだ。勿論すべての建築家に当てはまる批判でないことは、言うまでもないが、コスト意識と聞いて創造するに難しくない状況が簡単にイメージできる。
エンドユーザーの視点からするとこれぐらいの予算の中で、最高のパフォーマンスのものを設計して欲しいと頼んだはずが、設計中に予算に対するアドバイスは少なく、優れた提案を毎回持ってきて説明してくれるのだが、いざ実行見積もりを取ってみると、はるかにオーバーした見積書が手元に届けられる。ダブルスコアーなんてことも、時としてあるようだ。少なくない時間を費やして設計を終えたところで出てきた、現実に、設計者を変更するなど後には引けない状況まできており、泣く泣く増額した工事費をのむか、費用を調整するために夢が詰まった設計を崩してゆく打ち合わせに時間が割かれる。もし自分が逆の立場であれば、そうした経緯から生まれてくる感情は、冒頭の”詐欺氏だ!”となってもなんら不自然ではないと思う。
設計者は工事を請け負う訳ではないので、工事金額を手前勝手に操作することは出来ない。ただ、プロとして自分が行っている設計がどのくらいの工事費になると予測を立てられないようでは、いったいどんな責任を持って業務を行い報酬を得ているのか、まるでわからない。
"「コスト下手」が設計を蝕む"少し前になるが4月28日付けの日系アーキテクチャの特集だ。そのなかで、良い言葉を見つけた。"工事費積算とは設計が完了した後に行うことを指すのではなく、常に設計と同時に進めるものである。"と。自分が経営するMS4Dでは、このコストコントロールに力を入れている。社内に積算士こそいないが、普段、入札を行った後、アシスタントスタッフでも見積書を査定する。施工業者が提出する見積もりの妥当性を検証するためだ。査定が出来るのであれば、積算は逆の手順を踏めばよいと考えれば、簡単な積算は出来る。工事費とにらめっこしながら設計を進めるわけだ。
相手の立場に立って見て、良いな、と思えること、そして今すぐにでも実行できることは、常にトライしていきたい。我々のような小さなアトリエ設計事務所が、社会的信用を勝ち得るには、勿論、独自の理念を構築し発信し続けることもさることながら、こうした些細な不信感を1つづつ丁寧に取り除いていくことも大切だと考える。

2008年4月28日月曜日

ピンポン大会

コンピュータに向かって仕事ばかりしていると、肩がこります。目も疲れます。体もなまります。そんなときは、ピンポン大会。ストレス発散!本日はMS4D事務所内トーナメントを行いました。

2008年4月10日木曜日

働く環境

労働契約法が3月1日に施工された。労働環境や解雇などに関する紛争が増える中で、雇用側と、働き手の間の基本的なルールを明確にすることが、目的とのことだ。このような法が施工されると、日々目の前にあるプロジェクトのことを考え、それにのめり込み、自分の会社の働く環境に関して、後回しにしがちな自分がいることを、痛切に感じる。自分が経営するMS4Dの労働環境が決して”豊か”であるとは言いがたい部分が多分にあるからなのだ。実はここ数ヶ月間、働く環境について、基本的な事務所内のルールを作成しなおそうと社内で検討を繰り返し、それがようやく形になった。労働時間や賃金の規定に関しては、頭を悩ませる部分が多分にあった。”アトリエ系設計事務所”の働く環境は、社会一般の基準を下回っていると、聞く。MS4Dではそれを何とかして替えて行きたいと思い、がんばった分だけ報酬も増える”歩合制”や、自分の時間をコントロールできる”挙手制担当者配置”などを導入してきた。仕事を頼んでくれたクライアントの為、自分たちの生きる時代や社会をも射程に入れたクリエイティブの創出に向けて、時間を忘れて設計に没頭すると結果、対価に見合わない多大な時間を浪費してしまうことがままある。作業の効率化やアイデアのストックなど、まだまだ工夫できることは山ほど残されているとは思うが、何より労働環境を改善するには、自分たちの行っている”仕事の価値”を社会に認めてもらえなければ、到底到達できない話ではあるが、、、、、、