2008年10月27日月曜日

競争から協業の時代へ

1年半前、MS4Dを発足するにあたって、目的のひとつに、発案者の著作権を確保しながら、同業者との経営統合、固定経費のスリム化があった。自分が生まれた世代は所謂、団塊ジュニア第2次ベビーブームにあたり、国内世代人口が最も多い。ベンチャーの起業風潮も手伝って、当然、独立して開業している個人事業主含め、10人未満の零細企業設計事務所やデザイン事務所の経営者も多い。ただ、抱えている問題も同じような時期に開業しているので、似ている。自己プロデュースと、セールスポイントの発掘。受注の安定と顧客管理、人材教育と育成、資金繰りと財務計画。設計事務所やデザイン事務所の多くは、経営者がクリエイターであることが多く(かつての自分のアトリエ、清水勝広建築工房もご他聞に漏れず。。)経営と創作という、ある意味ブレーキとアクセルにも似た活動を、日々行い、疲弊しているのを、肌で感じた。独立したてのころには予測も出来なかったことに時間と労力を奪われ、最も得意としている業務がおろそかになっているからだ。そんな時、ふと妄想癖が働き、経営とはマネージメントであり、マネージメントとクリエイティブ、どちらか1の究極の選択を突きつけられたら、自分はどちらを選ぶのだろう、、、と。資質があるかは分からないが、答えはマネージメントであった。。。
現在MS4Dは3人の社外パートナー(要は雇用していないので従業員ではない。)と業務提携し、レベニューシェア方式(利益分配、固定費分担)によって、発生するプロジェクトを共同事業として、運営している。それぞれのパートナーがオファーをうける仕事は全てMS4Dで受注契約することで、経営のスリム化、固定費用の圧縮に成功している。今は3人しか、パートナーがいないが、先の究極の選択でクリエイティブを選択するクリエイターとの業務提携を増やして行きたい。個人の発想や価値観の差異を尊重したうえで。。。。。
サッポロビールとキリンビールが去る5月ごろから共同配送を行っている。また、アルミ缶フタの規格共通化も進めているようだ。新商品開発、機密保持、それぞれのブランドがしのぎを削って競争している一方で、エンドユーザーの1人である自分としては、”なんでもっと早くから行わないの?”無駄なコストが1本のビールに付加されていたのか?と思う。建築設計、デザイン業界においても、競争だけが邁進するべきレールではなく、無駄を省き、効率安定的にサービス提供を行う意味で、協業の道があると信ずる。自分の商売は相手を蹴散らすことが、目的ではなく、社会を豊かにすることだからだ。

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