2009年7月31日金曜日

事務所移転

事務所の移転を決めてから、1ヶ月半が経った。候補地は2転3転し、途中で現在の事務所に残る選択肢が再浮上したり、かなり悩んだ。が、やっと決まった。その間MS4D立ち上げ時から一緒に活動してきたパートナーの安藤僚子氏が1名のスタッフと共に中目黒に事務所を構え、8月からは同じくパートナーの伊藤暁氏も京橋にオフィスを構えることになった。五反田のオフィスは今、人口密度が低減しすっからかんとしている。ちょっと寂しい。が、そんなことは言ってられない。MS4Dの移転先は、6年前MS4Dの前身、清水勝広建築工房が法人として独立開業した、北新宿、大久保のアジアな空気が満載の町。悩みに悩んだ末の結論なので、今は非常にスッキリしている。決めるにあたっては、事務所を構える町のイメージ、増えすぎた資料と荷物が収まるだけのスペース、従業員スタッフの通勤時間、勿論、固定費削減が大きな狙いとしてあるので家賃や保証金、欲を言えば情報発信できるギャラリーのようなスペースが併設できないか、地域に根ざしたワークショップ、カルチャースクールが運営できないか、などなど現実と妄想と様々なファクターが絡み合って、僕を悩ませた。最終決断できたのは、不景気を乗り切るには見得や体裁といった余分な贅肉をそぎ落とし、開業した時のようなチャレンジ精神が維持できる環境を!ということで、原点回帰の意味もあって大久保とした。決してお洒落で交通の便のよい立地ではないが、9月中旬の引越し、そしてその後も続くであろう不況に対し、新たな気持ちで事業に真剣に取り組もうと思う。

2009年7月30日木曜日

特注照明制作

NCオフィスに納品する特注照明のフード部分の塗装。事務所の片隅が塗装場。

上;芦沢啓治氏発案の特注照明。塗装中

上;月島西仲商店街。

2009年7月28日火曜日

現場監理


現在工事中の新宿海岸K邸の現場定例。梅雨が明けたというのに、霧雨が降りじっとりと汗ばむ。雨が降るなかの工事は足場も悪く、鉄筋工の方々も苦労されていた。安全管理は一見地味な響きだが、非常に重要だ。工事現場で一人怪我人が出れば、全体の士気はさがる。設計監理者に安全管理面における業務責任はないが、僕は現場に行った際、悪い環境で作業していないか?作業場がゴミや資材で散らかっていないか?休憩せずに作業を続けていないか?目を光らせる。全体がうまく進行するためだ。施工の平成建設現場監督からゲキが飛ぶシーンもあったようだが、おおむね順調に工事は進んでいる。

2009年7月21日火曜日

海の日





19日、20日と、大学時代からお世話になっている先輩が保有するヨットの20周年記念の集まりに葉山マリーナに出かけた。風が強く舟は出向できず、夕刻に控えられた宴会まで暇だったので、せっかく海の日に海の遊びをしないわけにはいかないということで、近くの釣具やで、子供用ののべ竿と少々のえさを買い、葉山の海にのんびり竿を垂らすことに。特段、魚が釣りたいわけでもなくこうしたのんびりした時間を過ごしたかっただけなのだが、小さなさかな(ネンブツダイ)が釣れた。夕刻は沢山の関係者が集まって、昔はなしに花を咲かせる大宴会となり、久しぶりに大酒を。反省。夜半、出身学校別対抗のゲーム大会となり、芸大チームはあえなく罰ゲームに。FAROの藤枝氏が釣りたてのネンブツダイを踊り食い。同じ趣味を持つ仲間が地位や年齢差を気にせず集まって馬鹿騒ぎできるコミュニティが20年続いたことに”素敵なことだな”と感じると同時に、それを牽引する原尚先輩にも感謝。仕事を一切忘れさせてくれた瞬間でした。

塩害によって朽ちた鉄道レール。自然の力はすごい。

2009年7月16日木曜日

藤本やすしさんの本

アートディレクターであり、雑誌デザイン会社CAP代表の藤本やすし氏の半自伝的な一冊が出版された。”CAP すべてのCAPスタッフへ そしてキャップをかぶるボクのこと。” クライアントであると同時に、尊敬する偉大なクリエイターでもあり、大学卒業後、すぐに独立を決め込んだ僕にとってデザインの本質を教わった師匠(これは勝手に僕が思い込んでいるだけ)の半生がつづられている。10年前、独立したてで、右も左も分からない自分に、チャンスをいただき、以来様々なお仕事をさせてもらっている。氏から学んだことは数知れず、”デザインは足し算ではなく、引き算や掛け算であること””クリエイターである以上、生き様や考え方を含む、当人自体が商品であり、自分の長所と短所をわきまえたセルフプロデュースが欠かせないこと””ユーモアでありつづけること””スタッフのミスも含めて悪いのはすべて社長の責任””大胆であって繊細であること”などなど、思いだすときりがない。感謝。雑誌デザイナーが市民権を勝ち得ていない時代に、これではだめだ!と出版社に持ち込み提案で、完璧なプロトタイプを自費で作って提案していたエピソードなど、続く不況の中、仕事が来ないとぼやいていないで、自分の信じるものを形にして持ち込み提案を行うべきだなと、勇気をもらった。

2009年7月14日火曜日

草市

月島の草市にぶらっと寄る。大型ショッピングセンターの進出によって地場の商店街が打撃を受けている話は、そこかしこで聞くが、月島ほど商店街の活気と熱が冷めやまない場所を僕は知らない。7月12日、13日、14日の3日間の開催で、十数万人の来場があると聞く。すごいことだ。草市とは、元来お盆用品を商う市で、焙烙(ほうろく=素焼きの土器)、麻幹(おがら=麻の茎を乾燥させたもの)、ほおずき、溝萩(みぞはぎ)、桔梗など、お盆が近づくと先祖の霊が山や西方から下りてきて、それぞれの家に帰り着けるように盆路(ぼんみち)を整えたり、盆花を用意する際に使用される品々を商う市場だそうだ。その他茄子や胡瓜に割り箸などを突き刺して作った牛馬(子供の頃、お盆のときに作ったのを記憶している)、ハスの葉(お供え物を載せる)、灯籠、団扇、提灯などなど、地方によって多彩な習慣があるそうだ。月島の草市もかつては、お盆用品を扱う露店でひしめき合っていたそうだが、今では縁日と変わらない飲食中心の屋台となっていた。都心の生活と仕事に追われていると、こうした日本の行事と文化を忘れてしまう。伝統だから、風習だからと、本来の意味をかみ締めることなく、安易に習慣化されることに疑問はあるが、目には見えない心の文化自体が、消えてゆくような無念さも同時に感じる。心と時間にゆとりを持ちたいものだ。

2009年7月12日日曜日

別荘地


別荘地のリニューアル全体構想に携わらせていただいている。本日は泊り込みで丸1日掛けて敷地内の視察。山中湖面が標高980m。そこから一気に駆け上がった丘の頂は、植林されておらず、自生の高山植物が群生している。どこの別荘地でも同じ現象と問題を孕んでいると思うが、高度成長期にリゾート開発の一環で進んだ別荘地開発も月日が経ち、開発時に入居した方々の次の世代への代替期を迎えている。所有欲求の希薄になった団塊ジュニア世代は、別荘を所有することに対する関心が薄れ、不況の後押しも手伝い、代替時に手放す方も多いそうだ。使われなくなった別荘は、痛む進度も早く、そんな別荘がポツンポツンと残っている風景は、ユートピア的理想郷というより、お化け屋敷村だ。別荘地による長期滞在型の観光産業に力を入れてきた行政の財源は山林であった場所から宅地並みに納税される固定資産税であり、利用者がいなくなって、税収も減ると、町全体が荒んだ風景と化す。そんな状況が各地でちらほら見え隠れし始めていると聞く。当計画地は、幸運にもそのような状態からは免れているが、近い将来やってくる可能性も考えられる。ということで、未来永劫その場所に人が集い、活き活きとした町であり続けるには、別荘地単体で問題解決の糸口を探すのではなく、行政、地域、一体となって、活性化を考えていく必要があるなと感じた。

2009年7月11日土曜日

建て替えとリフォーム


新しい仕事の依頼があり、現地を視察。どんな計画でも、実際の土地を見てみないと、その場所にふさわしい空間をイメージする際にリアリティを感じられない。なので、必ず見に行って、空気を吸ってみる。計画は専用住宅で、建替えるべきか、リフォームとするべきかの相談から始まった。築40年の木造家屋が現在建っているが、築年数の割には、程度がよい。外観からの目視確認だけなので、構造躯体がどの程度の状態なのかまでは、わからないが、雨漏りしていないこと、床のきしみや、窓周りの防水劣化の具合を考えると、まだまだ現役で働ける建物だと本日の段階では判断して打ち合わせ終了。後日、床下や屋根裏の状態を調査して、建替えかリフォームかの判断をしてゆく。

2009年7月7日火曜日

エクササイズ

最近、仕事場のそばのジムのプールに通い始めた。高校時代、競泳選手だったので泳ぐのは得意なのだが、通いはじめた理由は、今はやりのメタボ対策だ。30歳を超えたあたりから、どうも体が重く感じる。というより、実際の体重が増えている。20代のころと変わらないペースで、よく食べよく飲むのだから当たり前の結果だ。水泳とは如何に抵抗を減らして、エネルギーを使わずに促進力を得るか、の運動だと思う。ジムのプールは大して広くなく、2コースしか泳ぎ続けられるコースはない。そして、皆ジェントルマンなので、無理に追い越したり、煽ったりしない。ゆっくり泳ぐ人のペースにあわせて、エクササイズする。競泳選手時代に培った、抵抗を減らす技術はさほど衰えていないので、ゆっくりペースで泳いでいると、ほとんど体に付加がかかっていないことに気付く。近くにいたインストラクターらしき人に、聞いてみた。有酸素運動の代表である水泳は、やせるにはもってこいの運動ですよね?と。答えは違った。元競泳選手がゆっくりペースで水泳しても、脂肪燃焼には効果ないですよ、と。だって、楽に泳ぐ方法が身についてしまっていますからね、と。ガーン。