2009年12月31日木曜日

2009年終了

2009年も本日で終了。早いものだ。今年もまた、たくさんの方に出会い、たくさんの経験をさせていただいた。今年のビックニュースを簡単にまとめると。五反田から大久保への事務所の移転が大きなイベントであった。いろいろ悩んだ末の決断であった。自宅もついでに引越し。そして、2年間を共に過ごした3名のパートナーがそれぞれ独立。いまとなっては懐かしい出来事だが、その当時はそれなりに頭を悩ませ、時間をとられた。そして、新メンバーといえば、芦沢啓治氏が役員に就任。仕事はやはり不況の影響からか、ここ1~2年の中ではもっとも受注数が少ない。決定打率が落ちているとも言える。なので受注額も半年カウントで、昨年比とかなり開きがある。とはいえ、仕事になる、ならないは、自分の設計力、サービス力、ブランド力にもよるのだから、この結果も実力のうちだ。もうひとつ、特に今年はといっても過言ではないのが、周囲に助けられ、拾われた1年だと思う。100年に1度の大不況下で、こうして無事に1年を終えることが出来ているのも、1度だけ名詞を取り交わした方から、古い友人、過去のお客様、仕事上の関係者や、同業のライバル。そして、事務所をころころ移転ばかりして、落ち着きのない僕についてきてくれる従業員の皆、そして、肝っ玉母さんである我が奥様。心から、感謝。そう、自分には感謝を伝える努力を怠っていると、最近感じる。自分の中では”ありがとう”と切に思っているのだが、どうも相手にはそれが伝わっていないようだ。特に従業員と奥様。照れくささからか、日ごろ近くで接してくれている人に感謝の意を伝え切れていないようだ。来年は、”感謝とねぎらい”の気持ちを行動に移して実行することを1つのテーマとしてみようと思う。皆様、今年も1年、ありがとうございました。そして、来年もよろしくお願いいたします。

芸大同期の忘年会

この学校のこの学年、すごく仲が良い。ここ数年は定例化しつつある芸代建築学科の同窓会忘年会に参加。卒業後10年経っても8割の出席率。(17人しか1学年にいないのだが。。)昔話と、近況報告と、仕事の話が2割くらいの、笑いっぱなしの年に1度の同窓会。

2009年12月30日水曜日

餅つき

山中湖で餅つき。別荘の住人が大勢集まり、正月を迎えるための準備。おかげで筋肉痛。

2009年12月24日木曜日

建築コストの不透明性

三浦半島に新築住宅の相談があり、初顔合わせ件、現地視察。海岸線沿いの好立地。建主さんはすでに、数社のハウスメーカーからの提案を受けていて、どうもしっくり来ないとのこと。しっくりとこない主な理由は、建築コストが不透明だということ。各社の見積もりと計画内容を比べて見ても、何がどう違うのか、安いのか高いのか比較するのが難しいとのこと。当案件の具体的な話はここでは伏せておくが、確かに建築コストは不明瞭だと思う。見積書はどう見ても専門知識がないと何が書いてあるのか分からない書式と表現が多いと思うし、同じ家を作る業態でも、設計者が介在して設計施工を分離するスタイルの見積書と、設計施工を同時に受けるスタイルでも、地場工務店とハウスメーカーのそれとは、書式が違う。また、坪単価の表記もA社は設計費や諸手続き費、外構費用を除いた工事費を施工床面積で割った値で表現するが、B社は設計費は含むが、標準外オプションは含まない額を延べ床面積で割った値としていたり、C社の諸経費=その会社の粗利益だが、D社は全ての項目に利益を含ませているので、諸経費項目が少ない額となっていたり、各社バラバラなので、エンドユーザーからしてみると、一体全体どうなっているんだと思われても当然のことと思う。自由経済なので、それぞれに戦略があることは当然だとは思うが、もう少し業界内ルールがあってもよいのではないかと思った。

2009年12月23日水曜日

温泉

建築家、海老沢宏氏監修の元、那須にある2ヶ月前から温泉施設のリニューアル計画に携わらせていただいている。海老沢氏は箱根の老舗湯治郷、”天山”の設計者で、温泉施設を語らせると右に出る人はいないのではないかと思うほど、お会いしてから現在まで、様々なことを指導いただいている。自分にとって、温泉施設の設計は初めての経験で、知らないことばかり。本日は基本計画案の実施検証と、既存設備の詳細調査を兼ねて、現地に泊まり込み。周囲はすでに雪景色。調査で冷え切った体は硫黄泉が温めてくれる。

2009年12月20日日曜日

イラスト

エクスナレッジ出版建築知識の10月号、12月号、2010年1月号にINAX商品を使用したイラスト描きました。




2009年12月19日土曜日

信用調査

今日、信用調査の方が事務所にやってきた。特段びっくりする話ではなく、事前に電話も頂いていたし、新規の法人顧客から、今後取引をしていく上で僕の事務所のことについて、詳しく教えてほしいという内容なので、構える必要はないのだが、ひょんな発言が受注に響くのではないかと、ドキドキする。以前にも実績に見合わないお仕事の契約前には調査員がやってきて、あれこれ質問していったことはあったが、本日、なぜドキドキするかというと、この不況下において生き残るための手立てはどんなことと考えているかとか、業務範囲を広げていく方針と準備はあるのかとか、その際の勝算と投資対効果をどのように見極めているのかと、僕の中でも整理がしっかり付いていていない事項についてのつっこんだ質問攻めにあったからだ。もちろん経営者である以上、次なるビジョンを掲げ、会社を邁進させることが仕事の中心であることは間違いないのだが、現状、思い切った施策に出られるほどの体力もなく、(体力とはほとんど財力ですが。。。)頭で考えてはいても、いつかやってみたいな程度の精度しかないことまで、プレゼンテーションする事態じなり、自分でも何をしゃべっているのかよく分からなくなった。いつなんどきにも、将来ビジョンについてプレゼンテーションできる準備は必要だなと思った。

2009年12月15日火曜日

持ちつ持たれつ

MS4Dのあるスタッフとの会話の一部。どうしてもこの仕事をやり遂げたい!と切に願うスタッフ。でも、どうもうまくいっていない。どうすれば、やり遂げられるのか、、一緒に考えてみた。時間がたっぷりあればよいのか。予算が潤沢にあればよいのか。そうではなく、自分だけの力ではなく人の力が必要とのこと。どうすれば、人から力を貸してもらえるのか。。。。。力を借りたい人の時間を、自分が作ればよい。時間を作るとは?力を借りたい人にも実行できて、力を貸してほしい人にも出来ることを、その人に成り代わって率先して行えば、その人に時間が生まれる。率先してそれを行うには、その人の行動と、その人の立場を理解する必要がある。これは経験がないから、、、と逃げ腰になる話ではなく、よく観察すればよいと思う。電話でどんな内容を話しているのか、どんなスケデュールが入っているのか、日々何をしているのか。また、その人の時間を作るには、その人が指示を出している人の作業を手伝ってみるのも良いと思う。持ちつ持たれつ協力し合う事の大切さを改めて理解。

2009年12月13日日曜日

体調不良

どうやら風邪を引いたらしい。熱はないのだが頭がぼーっとする。やらなければいけない仕事があるにも関わらず、体調不良とは情けない。気持ちよく年越しを迎えるためにも、もうひとふん張りと,いきたいところだ。

2009年12月10日木曜日

初めて会うときに。。

新規案件の依頼。20坪のヘアサロン。クライアントと初めて会って打ち合わせるときに、いつも自分なりに気をつけていることがある。1つは、下心なく相談窓口の門戸を開いておくこと。クライアントはどんなことを考えていて、悩んでいるのか、いないのか。自分のことをしゃべる前に、相手に聞く耳を持っている姿勢を見せること。そして、丁寧に聞き理解に努めること。初回打ち合わせは、受注側にとっては、絶好の営業チャンスであり、自分がいかに優れているのかをアピールできる場でもあるが、それの度がすぎると、一方通行のコミュニケーションとなり、クライアントの意向をしっかりと汲み取れないと感じるからだ。もうひとつは、言葉には文字通りに受け取るだけでは足りない情報が裏側に存在する前提で、相手を観察すること。これは、相手に失礼に当たる言い回しかもしれないが、しゃべり言葉では、伝わらないデザイン趣向のニュアンスや、作りたい空間の雰囲気、または、社交辞令の奥に潜む本音の部分を注意深く観察して理解することを心がけている。初めて会ったばかりの会話では、お互いに控えめな表現が多く、プロジェクトの核心に迫る前にタイムアウトなんていうことが往々にしてある。もうひとつは、自分が果たすべきミッションの確認。斬新かつ差別化を図れるデザイン開発が果たすべき使命なのか、クライアントにはアイデアがたくさんあり、それらをうまくまとめることを求められているのか、おぼろげな意向だけがあって、それを具体化してゆくことを求められているのか、資金はあるがその他ノーアイデアで事業計画からの設計を求められているのか。クライアントの事業利益を2倍にすることが最大使命で、その中に空間設計の話が入り込んでいるだけなのか。デザインには特に何も期待しておらず、利権関係者をうまくリードしてプロジェクトを成功に導くことを頼んでいるのか。このあたりを1回の打ち合わせでつかみきれない事もあるし、要望書として、まとめたものをはじめに渡されることもある。はじめの一歩でもある初回打ち合わせで、間違った方向性を掴んでしまうと、時がたつにつれて後戻りの利かないギャップとなり、クライアントにとっても、自分にとっても不幸な結果となると思う。果たして、本日のヒアリングで掴んだ方向性は。。。。。。。

2009年12月9日水曜日

結露対策

新規に住宅の改修計画の相談があり、お宅訪問。お題は結露および、断熱対策。内外コンクリート打ち放し+塗装仕上げなので、断熱性能が著しく劣っている上、大きな開口部にはまっているガラスはシングルガラスで、冬寒く、夏暑い、室内環境が出来上がっている。インテリア、外観ともに、コントロールされたデザインを損なうことなく、それらを解決するのが、主たる相談内容。空調や、冷暖房器具をスペックオンする判断は簡単だが、当然高熱費はあがり、ランニングコスト増となる。それらに頼らない策を練りたいところだ。

2009年12月8日火曜日

もうすぐ竣工

新宿海岸K邸の竣工が近づいてきた。本日現場視察。来年1月末竣工予定。梅雨時期~台風シーズンにコンクリートの打設時期が重なり、工期は押せ押せ。施工元請けの平成建設現場監督と、うまい連携を図りながら”終わりよければ全てよし”の状況を作るべく、打ち合わせ、段取り。。

2009年12月5日土曜日

火事場のプロ集団

従業員の誕生祝とねぎらい会と称して、オフィス1Fの自称”バーラウンジ”で、夜更けまで日ごろの仕事の苦労話、スタッフの珍道中話、その他分け隔てのない会話を肴に日ごろの疲れを忘れる楽しいお酒。昔スタッフとして勤めてくれていたOB陣も集まってくれて、大いに盛り上がった。感謝。ほろ酔いを通り越してきたところで、帰宅。先週引越しを済ませたばかりの自宅(賃貸マンションですが)につくと、どうも何かが燃えるにおいがする。くさい。ちょっと酔いが回りすぎたかな?と自分をごまかそうとしていると、うっすらと煙が廊下の天井を動いている。これは、もしや”火事?”深夜のマンションは静まり返っている。おまけに自分はかなり酔いが回っている。しかも、引っ越してきたばかり。勘違いで、近隣の方を起こしてしまっては、ここに住み続けられない!などなど、様々な思いが頭をよぎる。ここは、確実な証拠を!ということで、周囲を探索。下の階に降りてみたり、隣のビルの様子を見てみたり。まだ、サイレンの音はしない。が、だんだんと煙の量が増えてきている。もう一度自宅玄関前に戻ってみると、隣の家の吸気口から、微量だが煙が!ピンポンを押すも誰も出ない。ヤバイ、自分が火事の第1発見者だ。すぐに119へ連絡。気づいてからこの間約5分。焦っているこちらと、真反対の冷静さで対応に応じてくれた。あまり多くの情報を聞かれずに、電話は切れ、少々戸惑う。違う番号に掛けてしまったのではないか?何か、自分に出来ることは???ただ、扉には鍵がかかっている。とりあえず、気を落ち着かせるために、トイレに。。用を足している最中にサイレンが聞こえてきて、気付けば10数台の消防団が!チェーンソーで鉄の扉を開け、はしご車はテラスに直付け、ガスマスクをした特殊工作員みたいな部隊も、、1F駐車場には消防団本部と名がうたれたデスクが用意され、総勢30余名の消防士がテキパキと動き出す。マンションの住人もパジャマ姿で、表に出る。引越しの挨拶をしていなかったことを思い出し、ことの一部始終を知っている僕は、ここぞとばかりにご挨拶。おかげでマンションの住人ほぼ全てと顔合わせが出来た。なにより、すばらしいと感じたのは、消防隊の動き。どの人も無駄な動きは一切ない。指示を出す人、情報をまとめる人、突入する人、撤収する人。これは、僕の勝手な想像だが、火事の現場では、とにかく先に現場に着いた人が突入する。上司だろうと部下だろうと関係なし。遅れて到着した人は、現場の状況判断で、行うべき事を自ら発見し、能動的にチームに加わる。訓練の賜物なのかもしれないが、僕には状況判断に見えた。組織のあるべき姿の見本を見た気がした。

2009年12月3日木曜日

リフォームとすべきか、建替えか?

先月相談を頂いた、築30年弱、木造2階建ての住宅の建替え、またはリフォーム計画を進めている。老朽化していること、家族のライフスタイルに変化が生じたことなどから、相談を頂いているのだが、約20坪の狭小地、旗竿状の敷地のうえ、全面道路は計画地までの間に、階段があったりと、建替えを行うには施工計画が非常に立てにくい土地だ。また、昨今用途地域が変更になり容積率はアップしているので、容積率を消化し尽くしたい。民主党がリフォームを最重点に位置づけていることを意識してではないが、安易に建て替えを提案するのはどうかな?と思いつつも、縦方向に増築を行うのは、技術的には難易度が高い。リフォーム+増築案、建て替え案、のいずれを選択するにせよ、費用対効果を鑑みながら、最善の策を見つけられればと思う。