2009年3月1日日曜日

山中湖の別荘地

昨年末竣工した山中湖K邸が立地する別荘地帯において、数棟の建売計画のお話があり、現地視察及び、ヒアリングに行って来た。40年前に開発された別荘地帯は延べ24万㎡、400棟程の別荘が現在建っている。面白いなと感じたのは、山岳地帯の宅地開発でよくみられる擁壁による雛壇上の風景はそこにはなく、自然のままの斜面を利用して、自生のクヌギやナラ、唐松などと、建物がうまく調和している。また、敷地内の道路はグネグネと曲がりくねっていて、自然発生的に出来た集落を思わせる。なんでも40年の間に計画的なマスタープランにのっとって、一気に開発を行ったわけではなく、徐々に面積を拡張させていった結果が今の景観を作ったのだという。また、独特のコミュニティーが形成されている点も特筆に価する。亀倉雄策や田中一光、松永真や篠山紀信など、名だたるデザイナーや文化人が、好んでこの地に集まり、交流を深め、人づてにその輪が拡大していたのだという。メールやネットなどの通信が発達して、人と人が集まる機会が減っている情報化社会において、都心から離れた場所にこのような環境が今も息づいていることが持つ意味を考えさせられると同時に、守るべき豊かな社会財産があるなと感じた。

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