2009年6月23日火曜日

東京の町とピータースタッチベリー

昼過ぎからリノベーション案件の視察4連発。立地と建物の状況を見て、どのように活用できるのか?ターゲットはどのへんか?どんな改造を行うべきか?収支の見合いはどうか?借地権などの権利関係はどうか?リノベーションでテコ入れしたとしてあと何年くらい持つか?建て替え可能か?瞬時に考え、アイデアを出し合う。本日は東京イーストサイドの、神田、森下、本所、浅草の1棟ビルまたは1戸建て。土地の大きさと建て物の築年数、売買価格からだけでは、正確な事業収支はつかめない。やはり、現地の生の状況を視察し、リノベーションにかかるイニシャルコストも含めた計画とするべきだ。4つとも密集市街地に建っている。人がそこで過ごすという観点からは、決して快適には映らない。隣の建物との間隔は20センチ。夕刻から芦沢さんがローカルアーキテクトを務めている関係から、氏のオフィスで開催されたオーストラリア建築家、ピータースタッチベリー氏のレクチャーを聴きにいく。地球環境という大きな自然の中で、自然エネルギーをいかにしてプリミティブな操作で住環境に適用させていくかといった氏のテーマが終始語られた。時には、砂漠地帯のトカゲの生態について、ワニのうろこの凹凸について、洞窟の中の鳥の巣について、アボリジニーのライフスタイルなど、自然の摂理と生命の進化にまで話は及んでいた。環境についての議論が活発な昨今、そうした原初的な気付きと発見は大切だと感じると同時に、ここ、東京で自分はこのようなプリミティブな思考を持ち続けられるのか?通用するのか?建築が社会性を持っているとするならば、きれいごとでは済まされない、毒を含んでしかるべきなのではないかとも、感じた。ただ、氏の言葉に”土地を感じる”というものがあった。うむ、なるほど。

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