2009年7月12日日曜日

別荘地


別荘地のリニューアル全体構想に携わらせていただいている。本日は泊り込みで丸1日掛けて敷地内の視察。山中湖面が標高980m。そこから一気に駆け上がった丘の頂は、植林されておらず、自生の高山植物が群生している。どこの別荘地でも同じ現象と問題を孕んでいると思うが、高度成長期にリゾート開発の一環で進んだ別荘地開発も月日が経ち、開発時に入居した方々の次の世代への代替期を迎えている。所有欲求の希薄になった団塊ジュニア世代は、別荘を所有することに対する関心が薄れ、不況の後押しも手伝い、代替時に手放す方も多いそうだ。使われなくなった別荘は、痛む進度も早く、そんな別荘がポツンポツンと残っている風景は、ユートピア的理想郷というより、お化け屋敷村だ。別荘地による長期滞在型の観光産業に力を入れてきた行政の財源は山林であった場所から宅地並みに納税される固定資産税であり、利用者がいなくなって、税収も減ると、町全体が荒んだ風景と化す。そんな状況が各地でちらほら見え隠れし始めていると聞く。当計画地は、幸運にもそのような状態からは免れているが、近い将来やってくる可能性も考えられる。ということで、未来永劫その場所に人が集い、活き活きとした町であり続けるには、別荘地単体で問題解決の糸口を探すのではなく、行政、地域、一体となって、活性化を考えていく必要があるなと感じた。

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