2009年12月10日木曜日

初めて会うときに。。

新規案件の依頼。20坪のヘアサロン。クライアントと初めて会って打ち合わせるときに、いつも自分なりに気をつけていることがある。1つは、下心なく相談窓口の門戸を開いておくこと。クライアントはどんなことを考えていて、悩んでいるのか、いないのか。自分のことをしゃべる前に、相手に聞く耳を持っている姿勢を見せること。そして、丁寧に聞き理解に努めること。初回打ち合わせは、受注側にとっては、絶好の営業チャンスであり、自分がいかに優れているのかをアピールできる場でもあるが、それの度がすぎると、一方通行のコミュニケーションとなり、クライアントの意向をしっかりと汲み取れないと感じるからだ。もうひとつは、言葉には文字通りに受け取るだけでは足りない情報が裏側に存在する前提で、相手を観察すること。これは、相手に失礼に当たる言い回しかもしれないが、しゃべり言葉では、伝わらないデザイン趣向のニュアンスや、作りたい空間の雰囲気、または、社交辞令の奥に潜む本音の部分を注意深く観察して理解することを心がけている。初めて会ったばかりの会話では、お互いに控えめな表現が多く、プロジェクトの核心に迫る前にタイムアウトなんていうことが往々にしてある。もうひとつは、自分が果たすべきミッションの確認。斬新かつ差別化を図れるデザイン開発が果たすべき使命なのか、クライアントにはアイデアがたくさんあり、それらをうまくまとめることを求められているのか、おぼろげな意向だけがあって、それを具体化してゆくことを求められているのか、資金はあるがその他ノーアイデアで事業計画からの設計を求められているのか。クライアントの事業利益を2倍にすることが最大使命で、その中に空間設計の話が入り込んでいるだけなのか。デザインには特に何も期待しておらず、利権関係者をうまくリードしてプロジェクトを成功に導くことを頼んでいるのか。このあたりを1回の打ち合わせでつかみきれない事もあるし、要望書として、まとめたものをはじめに渡されることもある。はじめの一歩でもある初回打ち合わせで、間違った方向性を掴んでしまうと、時がたつにつれて後戻りの利かないギャップとなり、クライアントにとっても、自分にとっても不幸な結果となると思う。果たして、本日のヒアリングで掴んだ方向性は。。。。。。。

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